カンボジア・パイリン産の天然ブルーサファイア、パイリン産としては非常に珍しい非加熱ナチュラルなサファイアです。
(なお、今回の石、レーザートモグラフィー分析、FTIR分析、両方の非加熱チェックの分析を受けております。)
FTIRチャート(二枚目の写真)は石に添付させて頂きます。
FTIR分析はやりました、とだけ書いてある様なソーティングメモよりも、あるいは外国の鑑別書でよくありますが、やはりFTIRの検査はやりましたとだけ書いてその分析のチャートの表記の無い非加熱と称する鑑別書、それらよりもこの分析チャートの実物を添付している方がどれだけ重みのある事実であるかご理解頂けますでしょうか。
(どうか皆さん、非加熱のルビー、サファイアを買われる時は、この様な非加熱の証明の為にこう云う分析を行ったと云う説明、証拠の提示無く、ただ結果だけを・・加熱の痕跡は認められなかった・・とだけ記載している様なソーティング、鑑別書は信じないで下さい。海外のソーティング、鑑別書にそう云うものが多いですが、日本では鑑別団体協議会で非加熱証明の分析データーの提示無く、結果だけをその様に記載する事は禁じられています。)
そしてさらに今回のパイリン産サファイアは素晴らしい色合いでパイリン産のトップカラーもトップカラー、サファイアの中で最も美しいと言われる、あのビルマ産ロイアルブルーカラーそっくりの色合いなのです。しかし、いつも書いている事ですが、どんなにロイアルブルーカラーそっくりに見えてもロイアルブルーと云う色の名はビルマ産のサファイアにイギリス王室が与えた色名ですから、このカンボジア・パイリン産のサファイアをそう呼ぶべきではないのです。
現在、ルビー、サファイアの加熱・非加熱の判定の為にはこのFTIR赤外分光分析が有力とされているのですが、実は非常に重要な注意点が一つあります・・・・それはこのFTIR分析で非加熱の判定をする時に、そのルビーやサファイアの産地によって全く正反対の読み取りをしなくてはならないと云う事なのです。
例えばサファイアで云うと、ビルマ(ミャンマー)、スリランカなどとタイ、カンボジア、オーストラリアなどでは全く正反対の読み取りをしなくてはなりません。その為に、“非加熱”と云う判定がなされる時には、必ずその石の産地が分かっているのかどうかが重要な問題となります。現在、日本国内で出回っている多くの“非加熱”鑑別書のそのほとんどが、産地が分からないで発行されているのですが、そうなるとその“非加熱”の根拠すら危ういものになって来る訳です。
カンボジア・パイリン産は古くから、非常に深いブルーで、透明度、冴えがあるサファイアとしてサファイア取引のメッカ、タイでも高く評価されて来たサファイアです。スリランカ産の加熱によって素晴らしい色のサファイアがまるで錬金術の様にどんどん生み出される事が始まるまでは(この2千年あまりもの間、ずっと捨て去られていた真っ白なサファイアを加熱によって素晴らしいブルーに作り変える方法が登場したのは1978年頃の事です)、ビルマのロイアルブルーサファイアに次ぐ高い評価を受けていたのです。しかしそのスリランカ産の加熱サファイアがどんどんと生み出されて行く中で(しかも皆がその加熱と非加熱の区別が出来ない中)この高く評価されて来たカンボジア・パイリンサファイアはどんどんと忘れ去られ、片隅に追いやられて行ったのです。
そして、今、ようやく加熱、非加熱の識別が可能になって、改めてこのパイリン産のサファイアに目が向けられようとしています。
サファイアの各産地の違いを熟知しています私どもがまず先頭を切って、その動きを広めて行きたいと思っています。
・・・今回のサファイア、大きいサイズの1.554カラット、6.1x8.0x厚味3.1mm。カンボジア・パイリン産の非加熱ブルーサファイアとして色の濃さが濃い方から6,5,4,3,2..と分類して6、特に今回のサファイアはまるでビルマ産のロイアルブルーカラーそっくりの素晴らしい色合いで、まさしくパイリン産のトップカラー中のトップカラーと言える色合いです。しかも非加熱でこの色合いなのですから、極めて希少な存在と言えます。
テリ・輝き、透明感やキズ、プロポーションなど品質を良い方からS,A,B,C、D,...と分類してABランク・上級品質となります。
1カラットあたり180000円として1.554カラットですから279000円からのスタートとなります。