<本コインについて>
・1279-1307年イングランド発行のエドワード1世、1ペニー銀貨です。
エドワード1世は、1272年から1307年までイングランド王として治めました。
身長が190cmあったことから「長脛王」と呼ばれ、またスコットランドに対する強硬な姿勢から「スコットランド人への鉄槌」とも呼ばれました。
エドワード1世は、父王ヘンリー3世の失敗に学び、王権強化と行政改革、様々な立法に取り組みました。
1295年には、各階層の代?表者を集めた「模範議会」を開き、イギリスの議会政治の基礎を作りました。
この議会は、間接民主制の性格が強く、王と国民の対話の場となりました。
エドワード1世は、領土拡大を目指してウェールズやスコットランドに侵攻しました。
ウェールズは1284年に併合し、自らの息子エドワードにウェールズ大公の称号を与えました。
この称号は、今でもイングランド王位継承者に与えられています。
スコットランドは1296年に一時的に征服しましたが、ウィリアム・ウォレスやロバート・ブルースらの抵抗運動によって支配を維持できませんでした。
1307年にスコットランドへの遠征中に死去しました。
エドワード1世は、文化や建築などの面でも多くの業績があります。
例えば、彼はウェールズに多くの城を建設しました。
その中でも有名なのは、コンウィ城(左)やカーナーヴォン城(右)などの世界遺産に登録されている城です。
また、彼は十字軍にも参加し、聖地エルサレムの奪回を目指しました。
死後、彼の遺体はウェストミンスター寺院に埋葬されました。
このエドワード1世のコインの裏面は、長い十字架とロンドンの都市を表す銘文があります。
長い十字架は、コインの周辺が切り取られることを防ぐために、1247年から導入されたものです。
このコインは、ロンドン塔の中にある造幣局、通称タワーミントで鋳造されたものです。
エドワード1世が複数に散らばっていた貨幣製造業者を1279年にロンドン塔内に集約し、専用区域を設立しました。
イングランドで最も重要な造幣局でした。