このオークションを通して、たまたま懇意の方から戴いたのですが、所有楽器の再編のため出品致します。
No.4176の、おそらく1920年頃の作品ではないかと推測されます。
リップ・プレートに刻印の入っている時期のものです。
巻管、マイショー製、銀メッキです。
Seamed tube ; Maillechor ; silver plating.
A4=440Hzの仕様と思われますが、442環境でも、自分の奏法では頭部管を1cm近く抜きます。
おそらく、奏者の個性によるかと存じます。
1月にアキヤマフルートにお預けして、適度の修理を施しています。
以下、修理点です。
【頭部管】
・リッププレート、ライザーの分解、清掃、ハンダ付け直し。
・後世の改造でえぐられていた歌口を補修するために、ライザーの内側に銀材を巻き、整形。オリジナルに近い、オールドフレンチらしい美しいまとまりと密度のある音に復元しています。これは珠玉の響きです。
・歌口の補修に使用した素材は、Ag950です。
・全体を再銀メッキ。
【胴部管・足部管】
・タンポ交換、軟物補修及び交換。
・キーカップとタンポのセットについては、ワッシャーを交換し、不具合は改修しています。
【未修理項目】
・各リングキーの内縁の傷み。この傷の原因は不明です。
・胴部管・足部管の経年の中小規模の傷及び毛細傷(ある程度は当方で研磨をしましたが)。
・右手Dトーンホール下のメッキのムラ(直径7mm程度の変色)あり。
【その他】
・左手Gキーのリングにキャップを埋めたまゝ撮影してしまいました。はずして発送致します。
・頭部管と胴部管とのすり合わせが些か緩く、低音域(低Cis、低C)の発音が弱くなるため、胴部管の管合部(胴輪のすぐ下)に銀テープを巻いて対応してい.ます。
※ ちなみに、アキヤマさんの音の作り方として、オールドフレンチの特性を活かすため、タンポの肉厚をできる限り薄くされています。そのため、一般的なクラフトマンやリペアマンの調整よりも低音域(低Cis、低C以下)の響きが弱くなる傾向を思います。このあたりお好みの調整は、
【未修理項目】
の件共々、新オーナー様でご対応を願います。
※ 以上を鑑みてのお取引価格の設定とさせて戴きます。
※ 頭部管を完全にオリジナルに復する意図で修理しましたので、オールドフレンチらしく、あるいはルブレらしく、音は素晴らしくなっています。
音質については、この楽器を目的とされる向きには満足して戴けると存じます。
拙宅に秤がないため重量の測定はしておりませんが、質問を戴いた後、工房に問い合わせた
ところ、同質のルブレでおよそ430g程度とのことです。
送料は当方負担にて、発送方法は、ゆうパック等を考えています。
よろしくお願い申します。