J.S.バッハ:
・フーガの技法 BWV.1080(弦楽四重奏版)
[1] コントラプンクトゥス 1(4声による単一主題フーガ)
[2] コントラプンクトゥス 2(4声による単一主題フーガ)
[3] コントラプンクトゥス 3(4声による単一主題フーガ)
[4] コントラプンクトゥス 4(4声による単一主題フーガ)
[5] コントラプンクトゥス 5(4声による転回応答フーガ)
[6] コントラプンクトゥス 6(フランス様式による4声の転回応答フーガ)
[7] コントラプンクトゥス 7(4声による転回応答フーガ)
[8] コントラプンクトゥス 8(3声による3主題フーガ)
[9] コントラプンクトゥス 9(4声による2主題フーガ)
[10] コントラプンクトゥス 10(4声による2主題フーガ)
[11] コントラプンクトゥス 11(4声による3主題フーガ)
[12] コントラプンクトゥス 14a: Canon per Augmentationem in contrario motu (反行系の拡大によるカノン)
[13] コントラプンクトゥス 12a(3声による正像フーガ)
[14] コントラプンクトゥス 12b(3声による鏡像フーガ)
[15] Canon alla Ottava(オクターヴのカノン)
[16] Canona alla Decima, in Contrapunto alla Terza (3度の対位による10度のカノン)
[17] Canon alla Duodecima in Contrapunto alla Quinta (5度の対位による12度のカノン)
[18] コントラプンクトゥス 13a (4声による正像フーガ)
[19] コントラプンクトゥス 13b (4声による鏡像フーガ)
[20] コントラプンクトゥス 14: Canon per Augmentationem in contrario motu (反行系の拡大によるカノン)
[21] コントラプンクトゥス 14(18): Fuga a 3 Soggetti (未完のフーガ)
[22] コラール:われら悩みの極みにありて(Wenn wir in hochsten Noten sein)~オルガン小曲集より
エマーソン弦楽四重奏団
録音:2002年
楽器指定がないため、様々な編成で演奏されてきたバッハの傑作『フーガの技法』に、弦楽四重奏という多声的な編成で取り組んだアルバム。曲順は初版譜をベースにしています。
エマーソン弦楽四重奏団は、技術に優れ、アンサンブルの精度、パート間のバランスなどが常に高度な水準に達しているため、対位法的表現の要ともなる「かたち」についても完璧。モダン奏法で十分に歌わせながらも、個々のキャラクタリゼーションによる崩れなど無いのが大きな魅力ともなっています。
弦楽四重奏による『フーガの技法』には、これまでにもジュリアード四重奏団やケラー四重奏団、ポートランド四重奏団、古典四重奏団、ベルニーニ四重奏団のものなどがリリースされており、人気のある領域でもありますが、エマーソン弦楽四重奏団の演奏は、弦楽四重奏ならではのクリアな声部表現による対位法解析の面白さを、情熱的にシャープに打ち出しているのが素晴らしいところです。
なお、アルバムの最後は、オルゲルビュヒライン(オルガン小曲集)からのコラール「われら悩みの極みにありて」を弦楽四重奏で演奏して締めくくっています。