ご覧いただき、ありがとうございます。
高級オーディオブランド「Accuphase」の「P-260」を出品させていただきます。
[出品の理由]
42年前の1979年に21万円で発売されたパワーアンプです。
当方が購入したのは1995年頃のことで、購入先は秋葉原の高級オーディオショップの中古品コーナーでした。
以来20年以上、我が家のメインのアンプでした。
引っ越しで部屋の模様替えをしたさい、気軽に扱えるデジタルアンプにしたため、5年ほど前から使用機会が減ってしまいました。
そんなわけで、出品いたします。
[ジャンクの理由]
今回の出品にあたり、久しぶりに音を出してみました。
クラッシック、ポップス、ジャズ、ボーカル曲、どれも相変わらずの良い音で鳴ってくれました。
なのにジャンクとした理由ですが、
ここ数日聞いている限りでは音質に問題は感じられませんが、何しろ42年前のアンプであるため、パーツのどれかが寿命に近づいている可能性はあります。
外見には数十年の使用感もあります(メーターのガラスに傷があります。サイドパネルにはラックに入れる際についた引っかき傷があります。前面のアルミパネルにも、パッと見たところはそれほど目立たないとは思いますが、よくみると細かい傷やしみのような部分などが多数あります)。
また、出品にあたり、簡単でありますが中のホコリくらいは筆で掃除しておこうと思い、それでケースを分解してみたのですが、気になる部分がありました。
それは「MOS FET」と「ヒートシンク」の間に挟んである「マイカ絶縁シート」、正確には「TO-3トランジスタ用の絶縁シート」というようですが、それに塗ってある「放熱用シリコン」が劣化してボロボロになっていたことです。
アンプの中で一番熱くなる部分だと思うので、乾燥しているのかもしれません。
その、シリコンの再塗布や、あるいは最近の絶縁シートは、旧来の「マイカ絶縁シート」ではなくて「シリコン・ラバーシート」にが主流のようなので、それに交換してしまうことは、それほどは難しくないと思われます。
なので当方がそこまでするのがベストだとは思うのですが、素人ですし、その方法を調べる時間や作業する時間的な余裕がありませんので、心苦しく思いながらもそのまま蓋を閉じ、そのかわり、ジャンクとして1円からの出品とすることにしました。
[このP-260の各セクションの状態]
ATT(アッテネータ:右下にある音量調整つまみ)は正常動作しています。
メーターのランプも問題なく点灯しています。
メーターの針はON(NORMAL)の時とピークホールドの時は正常動作しました。けれどOFFの時は少し難があり、OFFにしても、針がそのまま動き続ける場合があります。
[付属品]
今となっては貴重と思える「取扱説明書」もお付けします。
付属の電源コードは純正です。
発売当時、ウッドキャビネットが別売りで販売されていたようですが、そちらは所有していませんので付いていません。
「取扱説明書」に関しては、今でもアキュフェーズさんのサイトから、ほとんど「取扱説明書」のような、4ページに渡るとても素晴らしい当時の「カタログ」が観覧可能です。
ちなみに当方が所持していて、今回お付けするのはこの「カタログ」ではなくて、これよりもさらに細かい、12ページもある「取扱説明書」のほうです。
[P-260の特徴]
P-260の電力増幅用素子にはMOS FETが使われています。
このMOS FETは、HITACHIの「2SJ49と2SK134のペア」というもののようで、金田式アンプや、長岡鉄男さん愛用のHITACHI HMA-9500Ⅱで使われていることでも有名なようです。
そしてP-260には、純A級(準A級ではなくて完全A級である純A級です)という、効率を度外視した「音質最優先」の方式が採用されています。
その効率の悪さゆえ、電力のすべてが音に変わるわけでなく、その多くは熱にも変わります。また、音が鳴っていない時も、電力を熱に変え続けるというアンプであります。
けれどもP-260には、その純A級である「Class-A Operation」というモードだけでなく、もう一つ「Normal Operation」というモードも用意されており、切り替えが出来るようになっています。
なので、気分や状況に応じて使い分けることができます。
例えば、じっくり酔いしれたい時は「純A級」、BGM的にかける時は「Normal Operation」などですね。
ちなみに「Normal Operation」の時も、純A級に遜色ないほど良い音だと思います。そしてこちらのほうが消費電力も、そして熱も抑えられます。
なので当方は、主にこちらのモードを使用していました。
[良い音のための使い方のアドバイス]
ご存知と思いますが、このアキュフェーズ P-260はパワーアンプですので、ボリュームのノブはついていません。
左右が独立した音量調節用のATT(アッテネーター)はついていますが、ある程度の大きさまでしか音を小さくすることは出来ません。なので本来はプリアンプを必要とします。
ところでこの、ATTを活用した時の音質のメリットを書いておきます。
プリアンプ(自分はMacintoche C-26を使っていました)と組み合わせた時には、プリアンプ側のボリュームを大きめにして、その分、P-260のATTを絞ると音がクリアーになります。
クリアーという表現が正しいかどうかわかりませんが、サーッという小さなノイズ音を拾いあげて大きくすることがないので、静寂の中で音楽が奏でられ、吸い込まれそうになるような……そんな感じです(あくまでも個人の感想ですが)。
それまで使っていたアンプはノイズが多かったこともあり、この静かなアンプの音を聞いて感動したことを覚えています。
なので自分の場合はP-260のATTは最小まで絞っていました。
実はこのような使い方をすることでS/N比が上がるため、クリアーになるのは当然ということは後から知りました。
大きな会場で鳴らすならともかく、静かで小さな部屋で聴く場合はその方がクリアーですので参考までに書いておきました。
[寿命を長くするための使い方のアドバイス]
42年前のアンプということもあり、残された寿命は長いとは思えません。
ですが、使い方を守れば、すぐに壊れるようなことも無いとは、今のアンプから出る音を聞いている限りでは感じます。
そのためには、風通しが良くて直射日光の当たらないところに設置するなどの、アンプにとっての基本的な使い方は守ってあげると良いと思います。
基本的な使い方という意味では、パワーアンプであるP-260の電源は一番最後に入れることも大切かと思います。
プレイヤー、プリアンプ、そして最後にパワーアンプという順番ですね。切る時はその逆です。
また、熱はパーツの寿命を縮めると伺っていますので、熱が上がりやすい上に新品では無いこのアンプは特に、音楽を聞かない時は電源スイッチを入れっぱなしにせずに、ちゃんと切ってあげることを強くおすすめします。
電源の切り忘れは意外とよくあることですが、このアンプに関してはそれを特に気をつけてあげて欲しいのです。
特に、純A級である「Class-A Operation」にしている時は、音の流れていない「待機状態の時」でも電力を消費し続けます。熱も出し続けます。それは家計にとってもアンプのパーツの寿命にとっても好ましいことでは無いと思われます。
個人的には「Normal Operation」の時でも、古いこのアンプを長持ちさせたいとお望みならば、ぜひ音楽を聴き終わったら電源スイッチをちゃんとOFFにすることを心がけると良いと思いますよ。
これらに気をつけたら、アンプさんも喜んでくれると思います。
それから寒い冬にも気をつけたほうが良いと思えることがあります。
冬の寒い部屋でいきなり電源を入れると、温度が急激に上がりアンプの内部に結露が発生するかもしれないからです。
冬の窓ガラスを想像すればおわかりいただけるように、結露は外部と内部の温度差によって内部に水滴がつくことなので、アンプも内部だけが熱くなると結露が生じるはずです。ホコリがたまっている場合は、そのホコリが湿って、基盤をショートさせることも考えられます。
なので冬は、まず部屋を暖めてからのアンプ電源投入のほうが良いかと思います。
[ホコリの掃除の仕方]
天板、サイドと下のカバーも同じネジですので、ケースは思ったよりも簡単に分解することができます。
特に天板を外すだけなら数分でできます。
なのでたまには中を開けて、ホコリも取って上げることも、長持ちと音質の面で、有用かと良いと思います。
けれどその際は、必ず電源コードをコンセントから抜いてくださいね。
またその際、水分が残ると、電源を入れた時にショートして基盤を壊す可能性があるので、水拭きはせずに、筆でホコリを払うのみにしておくと良いと思います(今回の出品に際しましても筆でホコリを払っただけです)。
細かいことをたくさん書きましたが、そのように、少し手をかけてあげなければならないアンプだと思ってください。
それをご承知くださった上での、ご検討をお願いします。
また、音楽観賞用として使い続けてくださる方がいることを想定して上の文章を書きましたが、ジャンクとしての出品ですので、もちろん、自作アンプの研究用として使ったり、または部品取り用として活用したりして、ご自分に役立ててもらえれば、それもまたよろしいかと思います。
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